この6月『新型コロナウイルス』で世の中が混乱するなか母、妹、私の三人のみで亡き父の三回忌を行いました。
それからしばらくして高校時代からの付き合いが今も続く妻および私の友人(女性)が我が家にちょい用で遊びに来た時の話です。
リンクの過去記事を読んでいただけると解るのですが私は本家の長男という立場なので小さい頃から自然と仏事にお金がかかることが体に染みついているのですが、友人のご主人のお父さんは分家筋で何番目かは忘れましが長男ではないらしいという背景があっての話です。
今から二年前に父が亡くなった時に仏事にかかる物事について今まで知らなかったことを多く学びました。ネットで調べることもあったのですが、仏事に関しては地域や宗派によっても変わることぐらいはなんとなく知っていたので解らないことは直接菩提寺の住職に質問しまくりました。
その中で今回は戒名についての話です。
一般的に戒名と呼ばれるものは宗派によっても異なりますが、おおむね以下の組み合わせと言われています。
戒名費用はというと宗派や地域によって相場がありますが『位号』によって違ってきます。ネットで調べればある程度は解りますが、こればかりはネット情報を鵜呑みにするわけにもいかないので前述したとおりご住職に説明していただきました。
男性の場合
- 院居士(いんだいし)
- 居士(こじ)
- 信士(しんじ)
女性の場合
- 院大姉(いんだいし)
- 大姉(だいし)
- 信女(しんにゅ)
気になる戒名費用ですが我が家の菩提寺『臨済宗建長寺派』の住職さんから聞いたのは以下の通り、父なので男性の場合だけです。
- 院居士:70万円~100万円
- 居士:50万円~70万円
- 信士:30万円~50万円
宗派によって違ってきますので、実際は菩提寺のご住職にご確認ください。
亡き父の場合、祖母が『大姉』だったこともありますし、父は本家の長男ですし親戚筋はうるさがたが多いこともあり、さすがに『信士』というわけにはいきません、よって母と相談のうえ『居士』でお願いすることにしました。
母と相談した結果『ご戒名料』として50万円をお渡ししました。
というのが菩提寺を持つ我が家の二年前の話です。
やっとここで話を戻します、友人の話です。
『新型コロナウイルス』とは関係なく、この5月に義父が亡くなられたそうです。友人の実家は菩提寺もあったのですが二人姉妹ということもあり、数年前にご両親が亡くなった際に『墓じまい』をしたそうです。
『墓じまい』の費用はもちろん、お母さんより先に亡くなったお父さんは生前中学校の校長先生だったこともあり戒名の位号は『院居士』で100万円おさめるなど仏事にお金がかかることはよく理解しているのですが、ご主人は仏事にお金がかかるということを育った環境もあり感覚として持ち合わせていません、友人のご主人には妹さんもいるのですが、妹さんもやはり感覚として持っていなかったみたいです。
生前にお墓の準備もされていなかったこともあり、慌ててマンションタイプの墓地を契約したそうですが、それはちょっと先の話です。
亡くなられてすぐに問題となったのが戒名です、菩提寺もありませんから宗派とかもないんですけど通夜、告別式前に戒名をどうするか葬儀社さんと話している時にご主人が何も知らないことに友人は驚いたと言っていました。
戒名の位号については前述した通りですが、その相場を聞いた友人のご主人は「そんなに高いのなら戒名はいらない」と言ったらしのですが、友人曰く知らないにしても「高いのならいらない」って理由がそうとう気に入らなかったみたいです。
驚いた友人はすぐに義妹に相談したら「戒名がないなんてあり得ない」と友人に同調し、実の兄妹で相談となったのですが、義妹さんも戒名相場なんて知らないから知ってしまうと「そんなにするの?」最初のトーンから激しくダウンしたものの戒名費用は兄妹で折半にして一番低い位号でと提案したのですが、それでも30万円が相場ということで友人のご主人は納得しません、そこで友人のご主人は紹介してもらった葬儀社さんに一番低い位号より安いものをお願いしたとのことです。
前述しましたが戒名は位号だけではなく『院殿号・院号』+『道号』+『戒名』+『位号』の組み合わせたものです。ちなみに父の位牌/墓石には『院殿号・院号』はなく『道号』+『戒名』+『位号』の組み合わせの計漢字六文字が記されています。
低い位号よりさらに低いというか安い戒名はというと実際の画像がなくて残念なのですが、なんと・・・『1文字戒名1万円』?なんか腑に落ちませんけど、じゃあ6文字6万円って思ってしまいますよね、くだらない嘘をいうような友人ではないので話を信用して書いてますけど(笑)
その1文字も『ひらがな』、『漢字』なのか聞きませんでしたが仮に苗字が「黒○」ならば『黒』です、位牌はきっとこんな感じだと思います。
くれぐれもこれは菩提寺を持たないご家庭での話なので、菩提寺がある家ではありえいない話だと思います。
その後も自宅に仏壇という話になったときに、友人のご主人の実家にはそもそも仏壇がありません、生まれてからずっと仏壇が家にない生活環境です、といっても多くのご家庭がそうだと思いますけど。
いちよ仏具店に仏壇を見に行ったそうですが値段をみて「いらない」。友人がなんとかご主人を説得し『香炉』、『りん』、『ろうそく立て』を購入して位牌とともに、それらをリビングボードのうえに場所を確保して置いたそうです。
簡易的なものでも良いから仏壇くらいはと私は思ってしまいますが価値観も育った環境も違うのでそういう考えになっても仕方ないのかなと思いつつも、別にお金に困っているご家庭でもないので仏壇くらい買えばいいのにと思って笑ってしまいました。
『香炉』、『りん』、『ろうそく立て』というのはこんな感じですね、なお『滝田商店』の関係者ではございません(笑)
私は小さな頃からお墓や仏壇、そして仏事に関して育った環境によって自然と染み付いてしまっていたので、相反する環境に育った人が仏事に関して何も知らないこと、そしてそれらにお金をかけるなんてあり得ないという考えに驚いたとともに、きっと私も同じ立場なら友人のご主人ほどではないとは思いますが、同じように考えたかもしれないなと思った次第です。
育った環境は人それぞれですが、みなさんはどう思うんでしょうね。
私も正直なところ仏事に関して『仕方がない』という気持ちも半分はあります。