sugarless time

甘く切ない80年代、甘くない現在の興味のあること中心に綴ります。

誕生日とジャネの法則

 

先日、誕生日を迎えてレベル5xになりました。

 

レベル50を超えるとレベルアップとゆうよりも心身共々レベルダウンのほうが正しいような気がするけど、いつからレベルダウンをしているか解りません(笑)

 

体力は30歳前後からレベルダウンを繰り返している気がするし、知識とか経験値はレベルアップしてるんだけど、レベルアップしただけこぼれていくものも多い気がするレベル5x、これからさらに歳を重ねる度にインプットよりアウトプットが増えていくんでしょうけど、そのスピードが加速しないように日々精進したいものです(汗)

 

誕生日についての話をちょっとします。

以前、そこそこ名の知れた方のコラムで誕生日というものは祝ってもらう日ではなく、産んでくれたた母、育ててくれた親に感謝する日であるというのを見たときに凄く感銘を受け、それからは自らの誕生日には離れて住んでいる母に必ず連絡をするようになりました。

 

「産んでくれてありがとう」とはさすがに恥ずかしくて言葉には出せないですけど、

そのコラムを見てからは自身の誕生日には「今年も無事に誕生日を迎えることができました」と感謝を込めて電話でですけど母に伝えています。

いくつになっても親(特に母親)は子供の誕生日は覚えていて私の言葉に

「お誕生日おめでとう」と返して今年も手短ではありますが四方山話なんぞしました。

 

で、本題に移ります。

妻が独身の頃から通っている陶芸教室のお仲間との話で要約すると、

『歳を取るにつれ1年が短く感じるのは、重ねた歳を分母に当てはめると解り易い』

という話を聞いてきて、その法則を誇らしげに私に語ったところから、ちょっと深堀してみようと思った次第です。

 

ジャネの法則』ってご存知でしょうか?

『○○じゃね~』という話し方の法則ではありません(笑)

 

妻の口から『ジャネの法則』という言葉は出てきてませんでしたが、年齢と分母の関係で調べると、すぐに『ジャネーの法則』に辿りつきます。

ジャネの法則』ではありません(笑)。

 

簡単ではありますが、日本版ウィキペデイアにもあります。

こちらも『ジャネーの法則』です(笑)

ja.wikipedia.org

 

簡単に説明しますと、19世紀のフランスの哲学者『ポール・ジャネ(Paul Janet)』の説を甥である心理学者『ピエール・ジャネ(Pierre Janet)』が著作『記憶の進化と時間観念(L'evolution de la memoire et la notion du temps,1928)』の中で紹介した一説がこんにちでは『ジャネの法則』と言われるようになっています。

  

出典:Paul Janet - Wikipedia                    出典:Pierre Janet - Wikipedia

 

『ポール・ジャネ(Paul Janet)』と『ピエール・ジャネ(Pierre Janet)』について興味がありましたら上記した出典先からどうぞ。

 

ジャネの法則』とはどういうものかというと、妻が陶芸教室で聞いた年齢と分母の話なんですけど、ウィキペデイアではこう記されています。

50歳の人間にとって1年の長さは人生の50分の1ほどであるが、5歳の人間にとっては5分の1に相当する。よって、50歳の人間にとっての10年間は5歳の人間にとっての1年間に当たり、50歳の人間の10日が5歳の人間の1日に当たることになる。

出典:ジャネーの法則 - Wikipedia

 

となっていますが、原文ではちょっと違います。

原文はwebからアクセスできます。

PDFで全110ページの中に『ジャネの法則』と言われている一節が記載されています。

以下が原文になります。

On a essayé bien des systèmes polir expliquer la mesure du temps. Il y a déjà bien dès années (1876 ou 1878) a paru un article du philosophe Paul Janet, qui a eu sa petite heure de célébrité. Son explication était très ingénieuse et amusante. Il prétend que le présent, le temps que nous vivons, est toujours apprécié par rapport au reste de notre vie. Quand nous sommes un enfant de dix ans, une année de notre vie est le dixième de la vie. Le dixième, c'est une partie importante de la vie ; par conséquent, pour l'enfant de dix ans, une année, c'est très long. Quand nous avons vécu soixante ans et plus, une année n'est plus que la soixantième partie de notre vie ; c'est tout petit, beaucoup plus petit que le dixième. C'est pour cela que les gens qui vieillissent trouvent que l'année est courte. Cette explication ne tient pas devant les faits patho-logiques où les choses varient indéfiniment.

出典:https://psychaanalyse.com/pdf/janet_memoire_temps.pdf

 

英語ならちょっとはいけますが、フランス語はほとんど解らないのでGoogle翻訳すると以下になりました。

 

時間の測定を説明するために多くのシステムが試みられてきました。何年も前(1876年か1878年)、ちょっとした名声を得た哲学者ポール・ジャネの記事が掲載されました。彼の説明はとても独創的で面白かったです。彼は、私たちが生きている現在という時間は、残りの人生よりも常に大切にされると主張します。私たちが10歳の子供であるとき、私たちの人生の1年は人生の10分の1です。10番目は人生の重要な部分です。 したがって、10歳の子供にとって、1年は非常に長い時間です。私たちが60年以上生きていると、1年は人生の60分の1にすぎません。 それは非常に小さく、10番目よりもはるかに小さいです。高齢者にとって一年が短いと感じるのはこのためだ。この説明は、物事が無限に変化する病理学的事実に直面すると成り立ちません。

 

実際には甥のピエール・ジャネの著作の一節に過ぎず、法則というような大それたものではないのですが、いつの頃からか『ジャネの法則』と呼ばれている次第です。

 

いつの頃から『ジャネの法則』と呼ばれ、皆の知るところとなったのか調べてみましたが、残念ながら真実らしきものには辿りつきませんでした。

 

そもそも『ポール・ジャネ』については英文ウィキペディアでの記載内容も薄くあまり参考になりません。

甥の『ピエール・ジャネ』の英文ウィキペデイア記載内容は叔父よりも中身は濃くて、知っている人も多いと思われる『ユング』が師事したことなどが記載されています。

 

ジャネの法則』とはそういうもので、法則というほど大それたものではないのですが、『ポール・ジャネ』の年齢を分母にあてはめた年齢と時間の関係は科学的な根拠もありませんけど、考え方としては面白いのでありだと思うんですけど・・・

 

日本の心理学者で主な著作として『大人になると、なぜ1年が短くなるのか?』、『大人の時間はなぜ短いのか』などがある『一川誠』さんは前述した著作とは別になりますが『時計の時間、心の時間』なかで以下のように書かれています。

「子供の時間と大人の時間」の節に、「フランスの哲学者のポール・ジャネーとその甥で心理学者のピエール・ジャネーは、感じられる時間の長さは年齢と反比例的関係にあるという仮説を立てています。一般的に「ジャネーの法則」として知られているものです。(中略)現代ではこのジャネーの法則は科学的な法則とは見なされていません。(後略)」

出典:年をとると何故時間が早く過ぎてしまうのか。 | レファレンス協同データベース

crd.ndl.go.jp

ja.wikipedia.org

 

『一川誠』さんは時間の長さは簡単に言えば年齢ではなく心理的なものによると言ってます。

もちろんそれはそうなんですけど、『ジャネの法則』とはそういう出自のものですし、目くじら立てなくても良いのにと思ってしまいますが、それが学者というものなのかもしれません。

 

わたし的には『一川誠』さんの言うように短い時間であれば時間の長さとは心理的な要因が大きいと思いますが、それを1年という単位にした場合、科学的な根拠はありませんけど、多くの人が『ピエール・ジャネ』の著作の一節『ポール・ジャネ』の仮説に共感するのではないのかなと感じてしまいます。

繰り返しになりますけど、科学的な根拠などありませんけど、感覚的に『ジャネの法則』と言われるものは的を得ていると思った次第です。

 

新たな1年は前の1年よりさらに短くなるはずです(笑)

 

 

 

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