sugarless time

甘く切ない80年代、甘くない現在の興味のあること中心に綴ります。

『町へ出よ、キスをしよう:鷺沢萠』

 

今年の4月に『鷺沢萠』さんの『葉桜の日』を読んでから、改めて『鷺沢』さん作品を買い漁っては読んでいます。

www.sugarless-time.com

 

その中から今回は『鷺沢萠』さんのエッセイ?集になります。

 

『町へ出よ、キスをしよう』

このご時勢ですから、不謹慎と思う人もいると思いますけど、さすがに『キスをしよう』は憚れますけど、『町へ出よ』は自分自身がコロナ感染原因を理解し、それをともに暮らす家族と共有できていればワクチン接種有無に関わらず外出しても良いと思っています。

 

感染対策がおざなりの店舗には入店しない、(人の会話が聞こえ)混雑している密度のの濃い場所には近づかないなどを常に意識していればコロナ禍前と比較すればストレスは感じますけど、外出できないストレスよりは私の中では軽微です。

元々がインドア派であれば外出しなくてもいいですけどね。

 

基本は一年半前に政府が言ったことを守っていれば感染リスクは微々たるもんです。

ただ、それは個人だけでなく少なくとも共に暮らす家族と共有していれば家庭内感染も起こることはないはずです。

 

さらに色々言われてますがワクチン接種すれば重症化も防げるでしょうし、最低限のマナーを守れて外出したい人は『町へ出よ』と思います。

 

で、話を戻して『町へ出よ、キスをしよう』の話です。

f:id:sugarless_ice:20210803153705j:plain

 

手元にあるのは平成5年(1993年)新潮文庫版でこれに先立つこと2年前の平成3年(1991年)に廣済堂出版より単行本は刊行されています。

 

内容は1991年以前に『鷺沢萠』さんが20歳~23歳?の頃にいろんな紙媒体で発表(つぶやいた)したものをかき集めたものです。

なんて書き方するとつまらないと思われてしまいますけど、今読んでも面白い、とにかく面白いです。

但し、その面白さを確実にするためには条件があります。

 

条件といっても簡単です。

このエッセイ集が刊行された1991年以前に発表された小説を読むだけです。

上記したものが対象になりますけど、5冊も読むのは難儀だと思いますので、1冊だけでも良いです。

1冊読む前提でお薦めは『帰れぬ人々』になります。

是非、『帰れぬ人々』を読んだ後に『町へ出よ、キスをしよう』を読んでみてください、内容は昭和してますけど、昭和を経験していない人には新鮮だと思うし、もちろん昭和世代は当時を思い出し楽しんでください。

具体的に何が面白いかというと、読んだ人だけが理解していただけると思います。

くれぐれも前述した小説いずれかを読んだあとがお薦めですからお忘れなく。

どうしても先に『町へ出よ、キスをしよう』を先に読みたい衝動を抑えきれなかったら、後からでもいいので前述した小説も読んでください。

  

 

タイトルになっている『町へ出よ、キスをしよう』ですが、雑に説明すると欧米に比べて日本人は人前でキスをしないって話です。

f:id:sugarless_ice:20210804185159j:plain

 

コロナ禍になってこういう欧米文化が定着しなかったことは幸いだったのかもしれませんが、この本が新潮文庫から刊行された当時、私は遊び盛り、本に感化されたわけではなく人前であっても好きな者同士であったらライトなキスすることじたいは普通にあっても良いと思ってましたし、人が多くいる場所で何人かの女性に「キスしてもいい?」なんてことを聞いたことがありますけど、決まって「恥ずかしいから嫌」、「人が見てるから嫌」という理由で拒否され、「俺とキスするのが恥ずかしい?」、「誰も見てないよ」などと言い返すも、彼女の言葉が覆ることはありませんでした(笑)

 

「キスが駄目なら抱きしめたい」というとだいたいOKなんですけど、私の胸に顔を埋めたり、バックハグだと下を向いていたりだったので、なんとなくキスが駄目な理由が解った気がしましたけど、私より若い世代の女の子たちはどうなんですかね?

 

彼女たちのキスが駄目な理由は解った気がしますけど、私が人前で『キスしたい』とか『抱きしめたい』理由って何だったんでしょう?

 

好きであったことはもちろんだけど、彼女は『自分のもの』ってことを第三者に知らしめたかっただけなんじゃないかな、そしてそれを彼女にも求めていた。

すなわち『私はあなたのもの』ということを第三者に知らしめることを求めていた。

そして彼女に『あなたは私のもの』と思って欲しかったんですけどね、ということは彼女は『私はあなたのものじゃない』ってことの意志表示だったのかな?

 

欧米の人はどうなんですかね、ライトなハグとかは別にして普通に海外動画などを見る限り少なくとも日本よりはあると思うし、私が前述したような思いもあるような気もするし、そんなに難解なことじゃなくて自然な愛情表現のような気もしますけど・・・

 

コロナ禍になって、こういう欧米文化が定着してなくて良かったという側面はありますけど、これを書いている時点でコロナ感染者数(PCR検査陽性陽性者数)は過去最大を更新し続けメディアは大騒ぎしていますね、それでも諸外国に比べたら圧倒的に少なく、ワクチン接種済でも未だに感染者(PCR検査陽性陽性者)が日本よりも多い国でも経済回復に向けて舵を切ってます。

 

それって政治家も大衆も他人の目など気にせずに正しい理解のもとに正しいと思ったことを実践しているだけのことのように思えるんですよね。

 

何が正しいかといったら未来を見据えて目先のことに捉われない、長期的に考えれば、こちらの方が正しい選択だと思えるんですけどね。

 

いっぽう日本はというと正しいことを実践することより他人の目を気にするあまり、目先のことに捉われ未来が見えなくなっているように感じます。

 

『町へ出よ、キスをしよう』正しい理解をして正しい行動をしていれば『町へ出よ』で構わないと思います。

但し、町には正しい理解もせず、正しい行動もしない人もいます。

けれど正しい理解、正しい行動が出来ていれば、出来ていない人達を回避することは出来るはずです。

『キスをしよう』にしても正しい理解、正しい行動をしているもの同士なら全く問題ないはずですけど、日本人ですから難しいとは思いますけどね。

 

正しい理解、正しい行動が出来る人は『町へ出よ』ということと、『鷺沢萠』さんの『町へ出よ、キスをしよう』は沈んだ気持ちが吹っ飛ぶほど面白いし、『町へ出る』時間を忘れるほど面白い(笑)

 

 

 

にほんブログ村 本ブログへにほんブログ村

にほんブログ村 本ブログ おすすめ本へにほんブログ村

sugarless time - にほんブログ村