単身赴任先ではテレビをつけても夜遅くにNHKを見るくらいだったので、気にもしていなかったんですけど、長期休暇で神奈川の自宅に戻り、高校サッカーなんぞを見ていると、テレビ画面に『ニュース速報』のテロップが浮かび上がり、何事!!と神経を研ぎ澄ますとほぼ決まって『本日の新型コロナウイルス感染者数』だったりする。
これって速報としてまで誰に何を伝えたいんですかね?
ニュース番組でコロナ関連のニュースをやり続けている理由として尺を埋めるためというのは1万歩くらい譲って理解できるんですけどね。
コロナのことは置いといて、タイトル通り新年早々『コロナ』じゃなく『インフルエンザ』に感染しました。
感染経路とかはまったく心当たりありませんが、発熱する前日に自宅からそこそこ近い『海』と『富士山』と『菜の花』を一度に楽しめるところにプチハイキングに出かけ家に戻ると、出かけた当日の朝から喉はちょっと痛かったのですが、喉の痛みは加速してさらに無駄に熱っぽく感じてきました。
その日は気にはなるものの早めに寝て翌朝には治っているだろうとたかを括っていたのですが、翌朝目を覚ますと完全に発熱している感じで体温を測ると37.5度、とくにその日は予定もなかったので、ちょくちょく利用する自宅近くの内科医に『発熱外来』があることを確認し15:00からの午後診察時間まで様子をみることにし、妻に発熱したことを告げてそのまま寝てました。
そして次に目を覚ましたのは16:00過ぎ、慌てて前述の内科医に電話するも『本日の発熱外来の予約はいっぱいとなってます』とのこと、『コロナ』感染の疑いもあるので、近隣の『発熱外来』のある病院に電話かけまくるが、返ってくる答えは最初と同じ、『夜間診療所』でもいいかなと思いましたが、『夜間診療所』ではPCR検査をやってないので、発熱した当日は加速する喉の痛みと悪寒に耐えながらじっと布団にくるまってました。
日が変わり、病院が仕事を開始するであろう時間を狙って電話すると、一発で繋がり、前日からの症状を伝え『発熱外来』予約をゲット、予約時間前に病院駐車場に車を停め、予約開始時刻となったところで車中から病院に連絡し、しばらくすると検査担当の方が完全防備で検査キットを片手に登場、その際に「PCR検査の他にインフルエンザ検査も行いますか?」と聞かれてたので念のため「YES」。
検体の採取はすぐに終わり車中で待つこと15分、携帯電話に医師から電話があり、診察室に来るように言われ、なぜ診察室と思ったものの診察室へ行き、医師の前の椅子に腰を下ろすと『インフルエンザA型』ですとの診断、医師も看護師も『インフルエンザで良かったですね』的な対応にかなり戸惑うも診察室に通された理由も解りましたけど、『インフルエンザ』で良かったなんて、こっちは微塵も感じないんですけど・・・
さっそく妻にLINEでインフルエンザと診断された旨の連絡をいれる。
家にも戻るといきなり隔離され、『コロナ』も『インフルエンザ』も感染した側がやるべきことに大した差はないんですよね(笑)
前述してる通り、相も変わらずメディアはコロナの話題ばかりですが、2022年冬~2023年春には『インフルエンザ』も流行するような報道をしてましたけど、実際はどうなのでしょう。
以下は2022年44週(10/31~11/6)~52週(12/26~1/1)までの週毎の感染者数データになります。
数値は厚生労働省 ホーム|厚生労働省 が発表しているものになります。
比較するとインフルエンザ感染者数は地を這うレベル、解りにくいので同期間でのインフルエンザ感染者数だけを抜き出すと以下の通り。
いずれにせよコロナに感染せずにインフルエンザ感染とは相当コロナウイルスには嫌われているようです。
たぶん10年以上振りにインフルエンザに感染して『ゾフルーザ』を初体験というタイトルの本題はここから。
今回、処方された薬は以下に示します。
【ピーエイ】
熱、痛み、鼻水、鼻づまり等の諸症状を和らげる薬
【アストミン】
咳をしずめる薬
【ロキソニン】
痛みや炎症を抑えたり、熱を下げる薬。
こちらは解熱ようの頓服として処方されてます。
【ゾフルーザ】
抗インフルエンザウイルス薬、今回の主役になります。
医師が書いた処方箋内容を見ることなく薬局に持っていったので、処方された薬の説明を薬剤師さんから聞いて驚きました。
「タミフルは処方されないんですか?」と思わず薬剤師さんに問うと、
「こちらは比較的新しい薬で先生はこちらをお勧めしております」
続けざまに薬剤師さんが
「タミフルに変更もできますよ」と言うけど、医師が書いた処方箋とは違う薬を薬剤師の判断で変更できるの?とまずは思いましたけど、薬剤師さんの1回の服用で済むという説明も魅力的だったので、そのまま『ゾフルーザ』を受け取りました。
詳細は以下を参照(ゾフルーザの一般名はバロキサビルなので同じものとして考えても構わないと思います。)。
『ゾフルーザ』の認可が下りたのは2018年2月、比較的新しい薬になります。
インフルエンザが流行るのは毎冬ですので、実際に『ゾフルーザ』が使用されだしたのは2018-19シーズンですが、ご存知の通り翌2019-20シーズンから『新型コロナウイルス』が猛威を振るいはじめ、インフルエンザ感染者数は激減します。
以下に2018-19シーズンから2021-22シーズンのインフルエンザ感染者数を示します。
2018-19:約1200万人
2019-20:約729万人
2020-21:約1.4万人
2021-22:約0.3万人
※数値は病院受診者数
※数値は『厚生労働省』、『国立感染研究所( 国立感染症研究所 )』から抜粋。
上記のようなことから『ゾフルーザ』を投与された方も多くはないでしょうし、その名前さえ知らない人も多いのではないでしょうか。
但し、2018年に認可が降りて早々に抗インフルエンザ薬として国内シェアは65%で首位となっているようです。
では、なぜそのような人気となっているのでしょうか?
詳しくはとりあえず前述のウィキペデイアにてご確認ください。
簡単に言えば1回の服用で短期間でインフルエンザウイルスを抑え込むからです。
今までインフルエンザといえば当たり前のように『タミフル』でしたが、両者の比較を服用回数で以下に示します。
ゾフルーザ:1回
タミフル:1日2回、5日間
服用回数は上記の通りだが、肝心の効果については詳細リンクのウィキペデイアや各自で調べることをお勧めしますけど、簡単に説明するとゾフルーザはウイルスを短期間で死滅させ、タミフルは時間をかけてウイルスの増殖を抑え込む仕組みなので、ゾフルーザのほうが短期間で症状は改善します。
実際に投与されてどうだったかというと、病院から戻り服用したのが午後1時頃(その時点で体温は38.5度)、翌朝(午前9時)には平熱まで下がってました。
時間にすると20時間ほど、うろ覚えですが前回(10年以上前)『タミフル』服用時は平熱に戻るまで丸2日間を要した記憶があるので、その効能に驚きます。
さらに熱だけではなく、咳もピタッと止まっていました。
※『ゾフルーザ』服用した夜に熱が下がらなかったので1度だけ解熱のために『ロキソニン』を服用しています。
但し、ゾフルーザは良いことばかりではなく以下の問題点も指摘されています。
・耐性ウイルスの問題
・価格
従来のインフルエンザ薬ではほとんど耐性ウイルスが出現することはなかったらしいのですが、ゾフルーザでは大人で約10%、子供は大人の倍以上という臨床結果が出ているとのことです。
※耐性ウイルスとは本来効果がある薬が効かなくなるウイルス
続いて価格についてです。ゾフルーザ処方箋画像を確認していただければわかると思いますが、1錠で2438.8円です。体重80kg以下の成人への処方は2錠なので1回で4877.6円、タミフルは1日2回、5日間服用した場合の価格は2700円、タミフルにはジェネリック薬もあり、こちらはタミフルの半額以下になります。
※上記価格は売価なので、3割負担であればゾフルーザは1463円/1回になります。
ちなみに今でももっとも有名はインフルエンザ薬『タミフル』の詳細については以下を参照。
コロナウイルスが流行するまでは日本では毎年人口の1割前後が感染していたインフルエンザ、コロナウイルス流行もあって新薬のことも今では大きく取り上げられませんが、もし感染したら選べるのであれば状況によって使いわけをお勧めします。
今回、私は単身赴任先に早々に戻る予定だったり、新薬ということで興味もありゾフルーザを服用しましたが、まぁ感染してしまえば勤め人なら出勤停止です。
ゾフルーザなら出勤停止期間が1日または2日は短くなりますが薬代は相応額となります。
タミフルなら出勤停止期間が1日または2日は長くなりますが薬代は安価です(ジェネリックならさらに半額)、それとゾフルーザには大人で1割(小児なら2割)ほど耐性ウイルスが出現するというリスクもあります。
また、いまだに言われているタミフル服用による異常行動ですけど、これには因果関係はないと厚生労働省が判断しています。
上記の通りそれぞれ特徴があるので選べるのであれば、その時の状況に応じて選ぶことをお勧めします。
インフルエンザに感染したさいの参考になれば幸いです。
コロナ感染より可能性は低いですけど・・・