ゲームレビュー
先日、なんとテレビ神奈川(TVK)でプレナスなでしこリーグ1部第17節の放送がありました。カードはというと、そりゃテレビ神奈川ですから地元のクラブということで、一時わたしがハマっていたノジマステラ神奈川相模原(以下ノジマ)vs伊賀FCくノ一三重(以下伊賀)。
10クラブ全18節で行われる2020年のプレナスなでしこリーグ1部、第16節までの順位はノジマ:8位(勝点:14)、伊賀:9位(勝点:11)という下位同士の対戦。
一時ハマっていたというとおり元なでしこジャパンの『田中陽子』選手が加入した2015年シーズンから2018年シーズンは年数回はスタジアム観戦していたのですが、2019年シーズンから一度もスタジアムに足を運んでいないのですけど、地元ですし一時的はハマっていたので録画しておいたものを観ました。
ノジマのスターティングメンバーは以下の通り
GK:久野、DF:鈴木、DF:福住、DF:松原
MF:佐々木、MF:平田、MF:石田(千)、MF:田中(萌)
FW:南野、FW:中野、FW:川島
2018年からいるメンバーは以下の通り
南野、川島、松原、田中(萌)
結果は0-1で伊賀の勝利なのですが、スコア以上に内容が酷くて、シュート数はなんと0-12、スコアが0-5とかでも違和感がない酷い内容でした。
簡単に説明すると以下図に示すような感じでとにかく図の赤いエリアに伊賀の選手が常に侵入してくる、フラットな中盤がフィジカルの弱さ(昔から弱かったのです)もあって1対1で競り負け続けるのだが、そのフォローが実に遅い、常に相手の後手を踏んで、相手の背中を追う状況、予測も出来ていないし、意思の疎通も出来ていないし、連動してプレッシャーをかけるということが出来ていない。そして前述した通りフィジカルの弱さもあって1対1で競り負けるのだから相手のやりたい放題になる。
そんな具合だから失点1、シュート数12で終われたのはDF3人、およびGKの頑張りにもよるところにあるのだが、唯一の失点はGKとDFのミスによる失点(涙)
FWの3人はというと中盤がそんなんだから常に前線の選手でありながら相手ゴールに背を向けてのプレイを余儀なくされる。
そして後半に入るとなんとか前線に起点を作ろうという意図だろうと思うが、DFの櫻本選手を中野選手に代えて1トップに起用(テレビ実況ではFWで起用されたことはほぼないようなことを言ってました)
前半よりは変わったが前線でヘディングで競り勝てるようになった程度、前線といっても相手ゴールには遠い場所、競り勝ってもセカンドボールを拾われるから、態勢に影響はほぼなくて、たまに良いボールが配給されてもFWとしてのプレイがないのだから相手DFとのかけひきとかできないし、オフサイドになることも度々という始末。
川島選手、南野選手の生え抜きの二人のプレイぶりはというと、それぞれの特徴である縦の速さは時々垣間見ることがあるのだが、縦の速さがチームにとっては逆に禍にしかならない。
中盤の押し上げも遅く、1トップに起用された櫻本選手も遅い、単発的に川島選手、南野選手にボールが渡っても常に数的には相手が有利な状況でシュートすることも出来ずに試合終了。
この試合に関しては途中からでよいので3トップじゃなくて2トップに変更してアンカー1人置くとかすれば全然変わったと思いましたけどね。
テレビ観戦でも見るに堪えない酷い内容、現場で生観戦したノジマサポーターはどんな気持ちでスタジアムを後にしたのか想像を絶します。
尚、試合内容は動画でも確認できます。
そんな具合なのでノジマの選手個々への印象はというと、現なでしこジャパンである松原選手の存在感が際立っていた程度、ゆえに彼女がWEリーグ開幕の2021年もノジマにいるのか心配になりました。
酷いノジマを圧倒した伊賀の参入を見送られています。
ノジマステラ神奈川相模原
ノジマステラ神奈川相模原について詳しくないかたにざっくり説明、2012年に神奈川県相模原市に本店を置く家電量販店ノジマによって設立。
関東甲信越以外の人には馴染みがないと思いますが、関東甲信越を中心に現在250店舗余りを展開しています(静岡、愛知にも出店中)
2015年~2018年
私が観に行っていた頃のノジマはこんなんじゃなかったんですけど、この2年で何が起きたのか、ノジマの歴史を含めて検証します。
詳しくはウィキペディアでといいたいところですが編集はされているものの2019年シーズン、2020年シーズンについては加筆されていないようです。
沿革
2012年新設(神奈川3部リーグ)
優勝⇒旧チャレンジリーグ昇格
2013年-14年(旧チャレンジリーグ)
2013年:4位(全16チーム)
2014年:3位(全16チーム)
2015年-16年(なでしこリーグ2部)
2015年:2位(全10チーム)⇒1部昇格戦で大阪高槻に敗退
※大阪高槻には丸山桂里奈選手が在籍、昇格戦で晩年のプレイを観戦。
2016年:1位(全10チーム)⇒1部昇格
2017年ー20年(なでしこリーグ1部)
2017年:8位(全10チーム)
2018年:3位(全10チーム)
2019年:7位(全10チーム)
監督
2012-18:菅野将晃
2019:野田朱美
2020:北野誠
主な過去の在籍選手
吉見夏希(2012-2018):元なでしこジャパン代表
高木ひかり(2016-2018):元なでしこジャパン代表
國武愛美(2017-2019):元なでしこジャパン代表
ミッシェル・パオ(2016-2017):元チャイニーズタイペイ代表
2019年~
私がよく観に行っていた2015年~2018年で主力選手として活躍していたなかで先日の試合も出場していたのは川島選手、南野選手の二人のみ、二人とも年代別代表、なでしこジャパン候補にも選出されています。
当時から川島選手、南野選手も素晴らしかったのですけど、吉見夏希選手と田中陽子選手、そして菅野将晃監督抜きにはノジマは語れません。
吉見夏希選手はチーム設立時から所属し、なでしこリーグ1部昇格の中心選手でもあり原動力、2018年末に韓国WKリーグKSPO(国民体育振興公団)移籍。
田中陽子選手は2015年になでしこリーグ1部昇格の最終兵器??として加入、実際に1部昇格の中心選手であり原動力でした。2019年途中にスペイン女子1部リーグのスポルティング・ウエルバ移籍。
菅野将晃監督はチーム設立時から監督を務め、なでしこリーグ1部昇格へチームを導き2018年で退任。
菅野将晃監督時代はフィジカルの弱さを運動量とパスワークで補っていました。そこに精度が高く長短パスを出せるテクニック、フィジカル的にも強かった吉見夏希選手、フィジカル的には難があったもののドリブル、相手を翻弄するテクニック、吉見選手同様に精度の高い長短パスを出せる田中陽子選手がいたことでハードワークができる川島選手、南野選手も躍動していました。
特に川島選手に至っては前線の選手でありながら、疲れを知らない子供の用に、全盛期の元オランダ代表エドガーダービッツを彷彿させるようなハードワークが今も目に焼き付いて忘れられません。
話を戻して吉見選手も田中選手もパスを出すだけではなく前線にも顔を出しますから、対戦相手にもよりますけど、チームとしては相手ゴールを見てプレイしていることが常だったのですが、今回観た伊賀戦は味方ゴールを見てプレイしている時間が多すぎてその変わりぶりに驚きました。
システムの問題もありますが、やはり田中陽子選手、吉見夏希選手の代わりとなる選手、精度の高いパスを出せる選手が見当たりません。
そして後付けになりますが高木ひかる選手にも触れておきます。
チーム在籍期間は2016年から18年の3年間でしたが、2016年に加入すると1部昇格を果たせなかった2015年の安定さを欠いた最終ラインに安定感をもたらせてくれるだけでなくDFラインからのフィードもチームの新しい武器になりました。
そしてなでしこジャパンにも選出されるなど、将来も期待された選手でしたが、2018年を以って現役代表でありながら25歳で引退、今回観た伊賀戦についてもGK、DFは頑張っていましたが高木選手がいればだいぶ変わっていたとも思います。
高木ひかり選手については引退理由を含めて興味深い記事もありますので一読してみてください。
まとめ
伊賀戦しか観ていないのでシステム云々についてはあまり言及したくもないのだが、2019年に指揮をとった野田朱美監督、2020年現在の北野誠監督、結果からいえば野田さんは1年で退任してますし、北野さんも芳しくない結果です。
2018年以降それまでチームの主力だった選手は多数いなくなっていますけど、そのなかでチームを作っていくのが監督の役目だと思っています。
伊賀戦を観ていてチームとしてバラバラなので選手個々の良さが全くといっていいほど見難くはなっていたのですけど、注意深く見ると選手個々については良さを垣間見るところもありました。
選手個々のポジション適正、システムの見直しを含め改善していけば伊賀戦のようなことはないとも思えます。
2021年のWEリーグ開幕に向けてチーム編成もこれから活発になっていくと思いますが神奈川県から唯一参加するチームでもありますし注視していきますよ。
最後にJOCの山下泰裕会長に怒られてしまうかもしれませんが・・・
今節MF登録ながら3バック左を務めた
『鈴木綾華』選手は可愛いです(汗)
出典:Ayaka Suzuki of ノジマステラ 公式ホームページ