先日オンライン会員登録しているブックオフからメールが届きました。
ヤフオクやメルカリだとプレミア価格になってしまっているような欲しい過去のCDなどはお知らせメールが届くように設定しています。
その商品とはタイトルのとおり、故人となってしまった川島なお美さんのセカンドアルバム『SO LONG』です。
80年代初めの女子大生感が漂っていていいジャケットですよね(笑)
彼女のファンであったわけではないのですが、杉真理プロデュース作品ということで1982年に発売された本作品(アナログ盤)がレンタルレコード店頭に並ぶと同時に即レンタルし、カセットテープにダビングして聴きまくっていました。
ファンでもないのに聴きまくるのですから、それだけお気に入りの作品だったんですけど、いつのまにかカセットテープは遠い昔に行方知らずとなりました。
それでも本作品への思い入れも強く、いずれCD化されるだだろうと思っているうちに月日は過ぎて2015年9月に川島なお美さんは帰らぬ人となってしまいました。
川島なお美さんが亡くなったとの報から思い出したように本作品がCD化されていないかと調べるも、その時点でもCD化されておらず、ここまできたらCD化はされないと当時は思ったものです。
それからさらに時を経た2018年頃(だと思います)、この作品をふと思い出し調べ直すと、川島なお美さんが亡くなった3ヵ月後の2015年12月に紙ジャケット仕様で初めてCD化されていましたが、気付いた時には新品での入手は困難な状況になってました。
ブックオフオンラインにて『お知らせメール』登録したものの、プライベートなメールをチェックするのは1日に1回あるかないかなので、たまに以下のメールがきてるのに気づいて遅らばせながらリンクを開くと・・・
なんてことが何回も続きましたが、このたびたまたまメール受信から3時間後にリンクを開いたら・・・購入することが出来ました。
このアルバムについての個人的な思い入れは置いといて収録曲の紹介です。
収録曲は以下の通り
- 1.泣きながら Dancin'
- 2.Ash Wednesday
- 3.イブの忘れ物
- 4.哀しみのマンハッタン
- 5.浮気な Birdie Boy
- 6.バス・ストップでまちぶせ
- 7.ゼミナールは車の中で
- 8.0467
- 9.雨よ急いで
- 10.バナナ・フィッシュにうってつけの日
- 11.想い出のストロベリーフィールズ
詞:横須賀恵、作曲、編曲:杉真理
全11曲中、作曲は杉真理が8曲、平井夏美が2曲、堀口和男が1曲、編曲は杉真理が7曲、大谷和夫が4曲、作詞は田口俊が10曲、横須賀恵が1曲という構成。
主な参加ミュージシャンは以下の通り。
キーボード:大谷和夫、渋井博
ドラムス:林立夫
ベース:渡辺直樹
パーカッション:斉藤ノブ
改めて聴き直して感じたのは当時日本屈指のポップス・メーカーといわれた杉真理がプロデュースしてもアイドル歌謡の枠を超えてはいませんでした。
発売当初はそれまでのアイドル歌謡とは一線を画す秀逸なアルバムだと感じたものだったんですけど、発売からほぼ40年を経て聴き直すとアイドル歌謡の枠を超えてはないけど、それまでの歌い手が主役のアイドル歌謡から川島なお美さんという歌い手を通して作品の魅力を堪能できる耳が喜ぶアイドル歌謡というのが相応しい気がします。
当時は解らなかったけど、アイドル歌謡の枠を超えずに、見て聴いて楽しむものから、聴いて思考力を巡らすもの、そんなところを狙っていたのかと今になって思考力を巡らかせています(笑)
話はそれますが、1981年から始まった文化放送の深夜番組『ミスDJリクエストパレード』の中で、私のリクエスト葉書が初代火曜日担当の川島なお美さんに読まれ、リクエストした佐野元春『Happy Man』がオンエアされました。そんなに珍しいことでもないのに、なぜ覚えているかというと、放送日後に友達から「リクエスト読まれただろ」というやりとりがあり、振り返ると何故友達が私だと解ったのかが思い出せない、たぶん本名でリクエストしたんじゃないかな~今では考えられないけど、そこそこ私の本名というか姓は珍しいんで(笑)
佐野元春『Happy Man』収録のオリジナルアルバム『SOMEDAY』は先日投稿したブックオフオンラインの邦楽名盤ランキングトップ100にもランクインしています。
楽曲の話に戻ると、全編を通して当時現役女子大生だった川島なお美さんの明るく、楽しく、そして甘酸っぱいカレッジライフを投影するような作品が溢れています。
アイドル歌謡の王道といってもいい2.『Ash Wednesday』は映像なんてなくても男子なら耳だけでキュンキュンしてしまいます。
3.『イブの忘れ物』、9.『雨よ急いで』は絶妙なコーラスが耳に残る作品。
4.『哀しみのマンハッタン』はエレキシタールの奏でる音が無意識にマンハッタンの情景を想像させる80年代らしい作品。
オールディーズ風の5.『浮気な Birdie Boy』、ドゥーワップのコーラスが印象的な7.『ゼミナールは車の中で』はツイストステップを踏みたくなります。
10.『バナナ・フィッシュにうってつけの日』は無意識に大滝詠一さんの『A LONG VACATION』のジャケットをイメージしてしまうほどに心地よさが溢れています。
6.『バス・ストップでまちぶせ』はアナログ盤ではA面ラストになる甘酸っぱいバラード、このアルバムの中で一番好きな作品、川島なお美さんのこの作品への感情移入が強く感じられます。
川島なお美さんの歌唱力は可もなく不可もなくなので聴く人によっては彼女の感情移入の強さに違和感を感じるかもしれませんね。
マイナー過ぎて誰もカバーしてませんけど、とても良い作品なので多くの人にカバーして欲しいし、オリジナル以上に作品の素晴らしさを引き出して欲しい(笑)
11.『想い出のストロベリーフィールズ』は山口百恵の1980年にリリースされた最後のオリジナルアルバム『This is my trial』に収録され、最後のシングルでもある『一恵』のB面に収録、作詞は横須賀恵こと山口百恵、曲は杉真理さん、そしてその作品をカバーというチャレンジ(笑)
オリジナルのほうが歌唱力はもちろん、当時21歳とは思えない大人の哀愁が漂うしっとりした仕上がり、川島なお美さんのほうはアレンジも変えてはあるんですけど、タイトルにある『ストロベリー』の甘酸っぱさを感じることができて私はこちらのほうが好きです。
後年の彼女しか知らない人には是非とも聴いて欲しい、川島なお美さんと杉真理、二人の魅力を堪能できる作品だと思います。
CDは入手困難ですけどアマゾンならすぐに聴けますよ(笑)