sugarless time

甘く切ない80年代、甘くない現在の興味のあること中心に綴ります。

『麒麟がくる』振り返り

とうとう『麒麟がくる』が終わってしまった(涙)

そしてこれを投稿する頃には次回『青天を衝け』がスタートしますけど(笑)

私なりに『麒麟がくる』の振り返りです。

 

総集編 

最終回『本能寺の変』の視聴率は関東リアルタイムで18.4%を記録し、これは『真田丸』最終回の14.7%を大きく上回る数字であったことが影響しているのかどうか定かではありませんが、メディアも絶賛のオンパレードですね。

 

ご多分に漏れず私も色々と言いたいこともありますが、総じていえば近年の大河ドラマの中では傑出した良作だったと思うだけに『麒麟がくるロス』です。

 

そんな『麒麟がくるロス』の方も『麒麟がくる』を見ていなかった方も、毎度お馴染みの大河ドラマ総集編は以下の日程で放送されます。

総集編の語りは『帰蝶』役の『川口春奈』さん、『帰蝶』役も大抜擢でしたが総集編にも大抜擢、楽しみしています。

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出典:大河ドラマ『麒麟がくる』総集編、放送決定!|ニュース|NHK 大河ドラマ『麒麟がくる』

www.nhk.or.jp

 

視聴率

歴代大河ドラマ比較

21世紀に入った大河ドラマの平均視聴率です。

数値はビデオリサーチの関東平均視聴率。

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参考まで歴代最高視聴率の1987年『独眼竜政宗』を追加してます。

 

全44話のリアルタイム視聴における平均視聴率が14.4%、これはここ数年の大河ドラマの中では2016年の『真田丸』以降右肩下がりだった視聴率に歯止めをかけた感じですね。

昔を知るものとしては寂しい数字ですけど、リアルタイムで視聴しないのが普通、しかもBS4K、BSと異なるチャンネルで放送時間も分散してますから合計すれば20%は超えていたと思います。

 

視聴率推移

以下は全44回の視聴率を放送一時休止前後で分けたものです。

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一時休止前後を重ねると上記になります。

最終回を除けば一時休止後の平均視聴率が低調だったのが一目瞭然、一時休止前の平均視聴率は15.3%、一時休止後の平均視聴率は13.2%になります。

全44話の最低視聴率(11.4%)を記録した39話『本願寺を叩け』に反動するかのように最終回まで怒涛の右肩上がりになってます。

 

視聴率比較

何かと比較された『真田丸』との最終回からさかのぼって10回の平均視聴率比較が以下になります。

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真田丸』が最終回からさかのぼった第48話から最終回に向けて緩やかに下降したのとは対照的な数値になっています。

 

脚本

架空キャラ

巷では架空キャラに批判的な意見を見ることが多いが、私的には架空キャラの存在があっても問題ないし、それがドラマに良いアクセントをもたらすのであれば、あったほうが良いと思っています。

実在した人物イメージ像を壊してドラマにアクセントをもたらすよりは、その役割を架空キャラに担わすほうが実在した人物イメージが引き立つという意味で好きです。

 

但し今回はやり過ぎですた感はあります。

ネット上での批判は主に以下の二つ

  • 『駒』、『望月東庵』絡みのシーンが多すぎる。
  • 『駒』と『足利義昭』、『望月東庵』と『正親町天皇』の関係はあり得ない。

ひとつめは最初からある程度は二人の露出は多い脚本だったと思うのですが、『新型コロナウイルス』の所為もあり収録が4月初めから6月末までのおよそ3ヵ月止まったことによって、より二人の露出が多くなる脚本に書き換えたと思っています。

明智光秀』役の『長谷川博己』さん、『駒』役の『門脇麦』さん、『望月東庵』役の『堺正章』さんのスケジュールはほぼほぼ一年押さえていたと思います。

三人以外の出演者に関していえば、そこまでスケジュールを押さえてなくて、収録を見合わせたことによって脚本もより三人の露出が多くなったのではないでしょうか。

 

ちなみに『伊呂波太夫』を演じた『尾野真千子』さん、『菊丸』を演じた『岡村隆史』さんの絡みのシーンも多かったですけど、前述の二人に比べると少なく、いいアクセントにはなっていた気がします。

 

そして二つめはファンタジーとしか表現のしようがないですね。

私は小学生の時に初めて見た大河ドラマ草燃える』を通して日本史に興味を持ったんですけど、そこには単なるエンターテイメントでなく歴史を学ぶという要素があった気がしています。

多少の脚色はあってもいいですけど、公共放送なんですから学ぶという要素を蔑ろにしてはいけないと思っています。

なんてったって公共放送なんですから(笑)

それに私はずっと受信料払ってますから(笑笑)

繰り返しになるけど歴史というものを軸にしているわけですから、知っている人はファンタジーとしてとらえますけど、知らない人は信じてしまうのだから・・・

と書いていてメディアの印象操作を思い浮かべてしまいました(笑)

 

バランス

最終回は素晴らしかったのですけど、最終回を見終わった直後はバタバタしてたように思えたのですが、時間が経ってから考えると、『本能寺の変』というのは積み重なった不平不満の爆発ではなくて、不平不満を起因としていても『本能寺の変』に至るプロセスにスピード感をもたせたことで、より衝動的に起きた出来事にしたかったのではないかと思えてきた。

 

でもそれも『沢尻エリカ』降板、『新型コロナウイルス』によって出演者のスケジュールやドラマ制作に関わる全てのスケジュールの見直しによって脚本の書き換えを余儀なくされた副産物だったようにも思えますけど。

 

一時休止前の最後は『桶狭間の戦い』でした。

第1話が1947年ですから1560年までの13年間で全44話のうち21話を費やしていますが、ここまでは『沢尻エリカ』降板後に見直しされたと思われる脚本、『美濃編』から『桶狭間の戦い』までの前半は前述した通り平均視聴率は15.3%と好調でした。

 

一時休止後は1582年の『本能寺の変』まで残り23話で1560年から1582年の22年間を描かなければなりません。

新型コロナウイルス』による撮影中止は想定外、しかも約3ヵ月に及ぶわけですから、出演者および制作に関わるスケジュールを見直すなかで脚本も書き直されたのだと思います。

最終回からさかのぼってみると絶対いらなかっただろうという回は見当たらず、最終回に向けて必要なところは押さえた構成だったことがうかがえます。

 

ただ『駒』と『望月東庵』のシーンを控えれば、例えば『愛宕山』の連歌会の逸話なども描く余裕があったのではと思ってもしまうんですけど、それがあると『本能寺の変』へのスピード感が薄れてしまった気もしますし微妙ですね(汗)

 

配役・演出 

演出

配役・演出で気になったのは『佐々木蔵之介』さんが演じた『羽柴秀吉』のみです。

麒麟がくる』では今まであまり描かれなかった『秀吉』の闇の部分を絶妙に『佐々木蔵之介』さんは演じていて怖いくらいだったのですが、従来イメージする『秀吉』と俳優『佐々木蔵之介』さんにシンクロする部分がなさ過ぎて、それを補うかのような演出には違和感を覚えました。

徹底的に『秀吉』の闇にフォーカスをあてた演出のほうが面白かったんではないですかね、あくまで主観ですけど。

 

配役

配役に関して言えば世間同様?以下の四人抜きには語れません。

 

斎藤道三本木雅弘

前半の主役といってもいいでしょう、圧倒的な存在感に『シブがき隊』の面影は微塵も感じませんでした。

本当に格好良い人は何をやっても格好良いですね、どうしても『シブがき隊』だったということもありずっとルックス先行という色眼鏡で見てきましたけど、土岐頼純を毒殺するシーン、長良川の戦いでの『伊藤英明』さん演じる『斎藤高政(義龍)』の戦闘シーンは忘れられませんね、それ以外にも『本木雅弘』さん演じた『斎藤道三』は見どころ満載、見逃した人は総集編の『美濃編』に注目ですよ。

 

帰蝶川口春奈

沢尻エリカ』降板から急遽代役として抜擢された当初は、初の時代劇、初の大河ドラマと不安の声ばかりでしたが、凛としたたたずまい、目力の強さ、そして『織田信長』役を演じた『染谷将太』さんと並んだときの二人の姿などなど、途中からは『川口春奈』さんで良かったという声のほうが大勢を占めました。

ご多分に漏もれず、私も世間同様で最初は大丈夫かと思っていましたが、『染谷将太』さんと並んだときには代役などではなく最初から『川口春奈』さんで良かったんじゃないかと思いました。

彼女にとっても飛躍のきっかけとなった『麒麟がくる』総集編の語り手も楽しみです。

 

織田信長染谷将太

染谷将太』さんの『織田信長』役も当初は懐疑的にみていました。

過去に演じた方々を鑑みても、どうしても『染谷将太』さんと『織田信長』がシンクロしなかったのですけど、回を重ねるごとに貫録も出てきましたし、そして最終回であらためて思ったのが、今まで多くの方が演じてきたのは絶対君主であり神のような存在の『織田信長』ばかりだったのにたいし、『染谷将太』さん演じた『織田信長』は強大な力を持つにいたり、それを堅持、拡大させるため、己の弱さを見られないように虚勢を張り続けることに苦慮し続けた人間味溢れた姿でした。

麒麟がくる』で感じた『織田信長』像、演技された『染谷将太』さん、脚本を書かれた『池端俊策』さんに感謝するしかありません。 

 

明智光秀長谷川博己

主人公『明智光秀』を演じた『長谷川博己』さんも素晴らしかったです、前述した三人の印象が強すぎましたが、登場してきた人物を繋ぎ前に出過ぎない『明智光秀』、ドラマのなかで太陽のように眩しく輝いた三人にくらべたら、月のように優しい光でしたが、その明るさ加減が『明智光秀』の人生そのままだったように感じます。

夜に限らず昼間でも月は見えますよね、『長谷川博己』さん演じた『明智光秀』はそんな存在でした。

 

他にもたくさん

他にも印象深い人はたくさんいましたがきりがないので特に印象深かった人たちを名前だけ列挙します。

あくまで私の好みですから、あしからず。

 

まとめ

降板騒動、新型コロナウイルスによる途中休止など何かとトラブルにつきまとわれた『麒麟がくる』でしたが、毎週日曜日が楽しみだった一年でした。

 

関係された皆様、一年間ありがとうございました。

含みを持たせた最終回、『麒麟がくる』はまだ続くのでしょうかね(笑)

 

 

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