前回の続きです。
1月10日北野誠監督の続投が公式発表されました。
1月10日以降公式発表がなかったのですが、1月22日に新規加入選手の発表がありました。どんな選手か解らないのですがFWではないようです(汗)
出ていく選手、入ってくる選手も気になって仕方ないのですが、北野誠監督の続投はよく解りません。
そもそも2020年に北野誠監督にオファーをしたのも理解できない、男子サッカーはチームの財政規模によって成績は上下しがちだが、少ない予算でもやりくりできるのが優秀な監督だと思うのだが、北野誠監督の過去の監督としての成績を結果で見る限りオファーした理由が見つからない、さらに初めての女子サッカー指導で結果はご覧の通りで2021年も続投する理由を見つけるのが難しい。
そして本人たちが直接公にチーム批判をするとは思えないので、ノジマステラのほぼ生え抜きといっても過言ではなくチームの攻撃を支えてきた『南野亜里沙』選手、『川島はるな』選手の移籍も監督続投によるものと勘繰りたくもなる。
2019年指揮をとった『野田朱美』監督は一年で契約終了となっているのだが、2020年よりも勝点では上回っている。
★ | 順位 | 勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
2020 | 8 | 15 | 18 | 4 | 3 | 11 | 18 | 30 | -12 |
2019 | 7 | 19 | 18 | 6 | 1 | 11 | 15 | 29 | -14 |
2018 | 3 | 30 | 18 | 9 | 3 | 6 | 29 | 24 | 5 |
2017 | 8 | 14 | 18 | 3 | 5 | 10 | 17 | 32 | -15 |
下はなでしこリーグ1部昇格以降のシュート数と被シュート数。
★ | シュート | 被シュート |
---|---|---|
2020 | 150 | 205 |
2019 | 179 | 209 |
2018 | 218 | 186 |
2017 | 155 | 224 |
2019年と2020年では被シュート数こそ差はないが、得点数は2020年の方が上回るもシュート数では2019年のほうがかなり上回っている。
野田さんが指揮をとった2019年のリーグ戦は6勝1分11負の勝点19で7位、これは訳ありで1部昇格の立役者の一人でもある『田中陽子』選手がシーズン中盤でスペイン女子リーグに移籍している。
『田中陽子』選手が移籍する前と後の比較がこちら。
2019 | 勝 | 分 | 負 | 勝点 | 得点 | 失点 | 得失点 | シュート | 被シュート |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
前 | 4 | 0 | 5 | 12 | 10 | 13 | -3 | 85 | 94 |
後 | 2 | 1 | 6 | 7 | 5 | 16 | -11 | 96 | 113 |
『田中陽子』選手移籍による影響が大きかったことが解ると思いますし、この年はチーム立ち上げから中心選手であった『吉見夏希』が2018年シーズン終了を以って海外移籍しています。
2019年シーズンは全く観に行ってないので現場の状況は解らず、ネットでは野田さんを悪くいうものも見たり聞いたりしましたが、これらの結果を鑑みると野田さんというよりフロントにも問題があったように思えます。
北野誠監督で不安になるのは結果だけではなく他にも理由がある。
いや、こちらのほうが大きな不安要素なのです。
2020年シーズンもコロナ禍ということもあり現場に行くこともなく、唯一観たのがテレビ放送された17節の伊賀FCくノ一三重』戦だけですが、この試合が本当にWEリーグ参戦が心配になる内容でした。
17節のゲーム、そしてこれを書くにあたって北野さんのチーム作りが気になったので調べていくとこんな記事が見つかった。
見出しはいい、聞こえるもいいのですが、要は相手に応じたリアクション・サッカー、2020年最終結果は冒頭にある通り、そして上位3チーム(※)との戦績は以下。
勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
5 | 6 | 1 | 2 | 3 | 7 | 8 | -1 |
上位3チームとの6試合で勝点5、得点7、失点8、得失点-1とそこそこの戦績となっています。
ところが上位3チーム以外との戦績は以下の通り
勝点 | 試合 | 勝 | 分 | 負 | 得点 | 失点 | 得失点 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
10 | 12 | 3 | 1 | 8 | 11 | 22 | -11 |
上位3チーム以外とは12試合で勝点10、得点11、失点22、得失点-11という戦績、戦力的に抜けている上位3チームとそこそこの戦いをしながら、この結果は自分たちの形がないゆえと思ってしまいます。
ほぼ地元だけにチーム立ち上げから気になっていた『ノジマステラ』、スタジアムに足を運ぶようになったのは『田中陽子』選手が加入した2015年から、当時はなでしこリーグ2部でしたが、チーム立ち上げから監督であった『菅野将晃』さんのチーム作りは一貫していて、もちろん所属する選手の適正もあったと思いますが、前線にターゲットを置くことをせずにハイプレス、パスワーク、サイド攻撃を織り交ぜたスタイルはノジマステラの目指すサッカーの方向性だったように感じました。
2017年のなでしこリーグ1部昇格時はご覧の通りなのですが、これは自分達のスタイルを通した結果であり、悲観する内容ではありません。
自分たちのスタイルをブラッシュアップした結果が2018年。
ゆえに長期政権でもあった菅野さん時代を継承しつつも、菅野さん時代の中心選手不在で望んだ2019年の結果は致し方なかったような気がします。
そして2020年の北野監督シーズンに関していえば、繰り返しになるけど見たのは第17節の1試合だけですけど、チームがどういうサッカーをしたいのかまったくもって見えてこない。
私が見て感じた内容がリンクで紹介した記事と一致、言葉にすれば相手に応じたサッカー、自分たちからアクションを起こせないサッカーに尽きると思います。
こういうサッカーに人々は魅力を感じることはあるのだろうか、少なくとも私はありませんね。
それでも固定のサポーターはついていくでしょうけど、新たなサポーターを獲得することはない、人気選手が在籍して盛り上がることはあっても、それは一時的なことでしかない。
『田中陽子』選手が在籍して、かつ菅野さんの目指すスタイルがあったからこそ私は『ノジマステラ』が好きになったのだから。
初年度は降格もない、その先も現時点では降格制度導入がいつになるか未定、降格制度があるのであれば、身の丈にあった戦術・戦略も必要になるのは解る。
そうではないのだからプロリーグとして興行として成り立つものを期待したいのだけど、2020年の戦いから開幕年は望めそうにありません。
人気選手もいなくなり、つまらないサッカーをする『ノジマステラ』が心配です