2020年のNHK紅白歌合戦に12月22日ユーミンが急遽出演との公式発表がありました。
コロナウィルスに振り回された2020年、それは2021年になっても変わらない気がします。
そんな年末にもともと褒められた歌唱力は持ち合わせていませんし、加齢によりさらに声も出なくなっていますけど、ひとりひとりが自分本位でなく他者を思いやる気持ちを持って、言葉を変えれば『守ってあげたい』という気持ちを共有していれば、今よりは状況はいくらかましだったような気がします。
言うことを聞かない人を封じ込めるために政策が必要というのも解るけど、ベースはひとりひとりが大切なものを「守ってあげたい」というシンプルな気持ちだと思います。
ですからしつこいですけど歌唱力はあれですし、声も出なくなってますけど2020年紅白歌合戦で『ユーミン』が『守ってあげたい』で急遽出場というのは素晴らしいと思っています。
ただ、ユーミンファンとして『守ってあげたい』という作品には複雑な想いもあります。
私はリアルタイムで『荒井由実』を聴いていません、リアルタイムで聴いたのは1978年リリースのアルバム『流線形'80』からで、そこからどっぷり『ユーミン』にはまり、『荒井由実』時代の作品も知ることになるのですが、聴き始めた当初小学生だった私の周りで『松任谷由実』を知っているのは、たぶんクラスで1割未満。
そこから私は小学生から中学生、アルバムでいうと『OLIVE』、『悲しいほどお天気』、『時のないホテル』、『SURF&SNOW』、『水の中のASIAへ』。
『水の中のASIAへ』の頃には当時のニューミュージック・ブームも手伝ってさすがにクラスの2,3割は『松任谷由実』の名前を知るようになってましたけど。
少なくとも私が通う学校という小さいなコミュニティのなかでは『松任谷由実』を知る人はごくごく少数派なので裏返すとそれは優越感でもあったのですが、より多くの友人に知って欲しいという欲求もありました。
そんなおり映画『野生の証明』出演から着実にステップアップしていた『薬師丸ひろ子』さん主演映画『ねらわれた学園』主題歌として『守ってあげたい』が採用され、同曲を収録したアルバム『昨晩お会いしましょう』がリリースされるとオリコンアルバムチャートで1位になり、そこから怒涛のユーミン時代幕開けとなるとともに『松任谷由実』はクラスの誰もが知ることとなりました。
しかし『守ってあげたい』は私がリアルタイムで聴いてきたユーミン、より多くの友人に知ってもらいたかったユーミンの世界ではなく、この頃を境にユーミンへたいする熱量が下降、正確に言えば『SURF&SNOW』あたりから作品作りが子供ながらに売れるものへ少しずつ傾いていったように感じてました。
ちなみに以下は『昨晩お会いしましょう』前後のアルバムチャート。
タイトル | 発売日 | 最高位 | 年間順位 |
---|---|---|---|
ひこうき雲 | 1973/11/20 | 9 | 11(1976) |
MISSLIM | 1974/10/5 | 8 | 14(1976) |
COBALT HOUR | 1975/6/20 | 2 | 5(1976) |
YUMING BRAND | 1976/6/20 | 1 | 3(1977) |
14番目の月 | 1976/11/20 | 1 | 4(1977) |
ALBUM | 1977/12/25 | 12 | - |
紅雀 | 1978/3/5 | 2 | 25(1978) |
流線形'80 | 1978/11/5 | 4 | - |
OLIVE | 1979/7/20 | 5 | 35(1979) |
悲しいほどお天気 | 1979/12/1 | 6 | 32(1979) |
時のないホテル | 1980/6/21 | 3 | 33(1980) |
SURF&SNOW | 1980/12/1 | 7 | 40(1981) |
水の中のASIAへ | 1981/5/21 | 9 | - |
昨晩お会いしましょう | 1981/11/1 | 1 | 22(1981) |
PEARL PIERCE | 1982/6/21 | 1 | 9(1982) |
REINCARNATION | 1983/2/21 | 1 | 9(1983) |
※年間チャートは12月締めなので、作品によっては複数年にまたがることがあるので、より上位の年度を記載してます。
※『流線形'80』の年間がランク外は意外です。
『荒井』姓での最後のオリジナルアルバム『14番目の月』の後、『松任谷』姓になって年間チャートを見ると低迷していたのがよく解ると思います(低迷というには贅沢なんですけどね) 。
また後年のスキーブーム、後年といっても今では遥か昔ですけど、今ではクリスマスシーズンの定番にもなった『恋人がサンタクロース』が収録された『SURF&SNOW』は週間チャートで最高位が7位というのも当時を知らない人は意外に思えるかもしれませんね。
ユーミン熱が冷めるきっかけとなった『守ってあげたい』ですが、同曲が収録されている『昨晩お会いしましょう』には当時から今に至るまで大好きな曲として『A HAPPY NEW YEAR』が収録されています。
この曲が一躍有名になったのはアラフィフ以上ならお馴染みの映画『私をスキーに連れてって』ですね。
以前はYoutubeで『A HAPPY NEW YEAR』が流れる映画のシーンも観れたのですが、今では観ることはできません。この曲が流れる映画のシーンは今でも忘れられない日本映画の名シー ンといっても過言ではないと勝手に思っています。
例えるなら『幸せの黄色いハンカチ』の名シーンと同じくらい(笑)
曲じたいも本当に大好きで、この曲のイントロを聴くだけで凄い良い意味で鳥肌どころか寒気がします。
紅白歌合戦で『守ってあげたい』の後、エンディングで『A HAPPY NEW YEAR』とかあるとまさに感極まってしまいそうですが、紅白歌合戦ですからそれはありません。
それでも年が明けて2021年になって
♬今年も(は)たくさんいいことがあなたにあるように♬
2021年はそうあって欲しいですね。
そのためににも大切な人を「守ってあげたい」という気持ちを共有していきましょう。
わたしのユーミン熱が冷めていくきっかけとなった『守ってあげたい』ですが、ほぼ40年という時を経て今では「守ってあげたい」が好きになっています。
松任谷由実 - 守ってあげたい (WINGS OF LIGHT "THE GATES OF HEAVEN" TOUR)
今年はこの投稿が最後になります。
1年間ありがとうございました。