出典:家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった - NHK
序章
映画とかテレビドラマとかたぶん人並みに見ますが基本的に見るドラマ(枠)は決まってます。
「大河ドラマ」、「日曜劇場」はよほど興味が湧かないテーマでない限りは見ます。
長い期間そんな調子でしたが、最近は前述したふたつより前のめりで見ているのが、NHKドラマ10枠です。
現在放送しているのが2023年にNHK-BSで放送して【放送批評懇談会「ギャラクシー賞」】テレビ部門2023年7月度月間賞、第61回(2023年度)奨励賞をはじめ数々の賞を受賞した【家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった】通称【かぞかぞ】。
全10話放送のうち第3話まで放送後にパリ五輪休止中です。
今回はこの作品についての投稿ですが、この作品の前に・・・
ドラマ10枠の前回の放送でX(旧Twitter)でもトレンド入りしたという【石橋静河】主演の【燕は戻ってこない」】についてもちょっとだけ書きます。
【燕は戻ってこない】レビュー
原作は【桐野夏生】さんの2022年刊行作品、原作はまったく読んでいないので、あくまでドラマについてです。
現在でも日本では認められていない代理出産がテーマで、低所得の派遣社員【石橋静河】が演じる【理季】が代理出産(卵子ドナー)にて多額の報酬を得て双子を出産するって話なんですが、主演の【石橋静河】、代理出産を依頼する夫婦【内田有紀】、【稲垣吾郎】、稲垣吾郎の母役【黒木瞳】などなど、とにかく見る側としては主な出演者の誰にも共感できないという代物、普通のドラマって見るほうからすると、良きにせよ悪しきにせよ出演者を介してドラマに参加するような感覚もあると思うんですが、そういうのがまったくない。
なんでそうなるの!?なんでそんなことするの!?なんでそんなこと言うの!?が押し寄せてきて、見てるほうを困惑させまくり。
慣れてくると出演者の行動や言動もあるていどは想像できるようになるんですけど、それも想像とはズレてたりして、ホラー作品じゃないんだけど、ホラー作品のようなヒューマン・ドラマみたいな感じでした。
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とにかく前のめりで見ていたので、私的に次作のドラマ10のハードルが高くなってしまったところで・・・【かぞかぞ】です。
【家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった】
予備知識
原作は【岸田奈美】さんの2020年刊行作品、原作はまったく読んでないし、NHK-BSでも見てないし放送してたのも知らなかったし、息子に知的障害がある私としては、けっこうこれらの作品等にはアンテナ張ってたつもりなんで、今さら知り得たことをけっこう悔いております。
原作の補足になりますが、岸田さんのエッセイなので作者本人の実話です。
前述した通り昨年NHK-BSで放送しており見た人も多いと思います。
地上波放送はパリ五輪のために第3話まで放送後に休止中、再開(第4話)は8/13(火)からになります。
NHK-BSで放送しているのでNHKオンデマンドでも全10話見れちゃいます(笑)
さらにDVDもあります(笑)
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以下、NHKからがっつり引用(笑)
これが令和の新しいホームドラマ! 作家・岸田奈美さんが自身の家族について綴ったエッセーを原作に連続ドラマ化! ベンチャー企業家だった父は急逝し、母は突然車いすユーザーに。弟はダウン症、祖母はものわすれの症状が・・・。岸田さんは、そんな家族をめぐる、「楽しい」や「悲しい」など一言では説明ができない情報過多な日々の出来事を、笑えて泣けて考えさせられて、心がじんわりあたたかくなる自伝的エッセーに。SNSで瞬く間に広がり人気を集めました。 ドラマでは、岸田さんが紡いだエッセーに、ご家族や関係者への取材によるエピソードや、独自の視点での脚色を加え、全10話で放送します。
【あらすじ】 岸本七実(河合優実)は高校生。学校では、きらきらした一軍女子たちの輪に入れずに、今日も同じ三軍同士、天ヶ瀬環(福地桃子)と授業でペアを組まされていた。いささか自意識をこじらせながら暮らしていたある日、母のひとみ(坂井真紀)から連絡が入る。ダウン症の弟・草太(吉田葵)が万引きをしたかもしれないというのだ。七実の、ありえないことが次々と起こるてんやわんやな日々が続いていく…。大好きだった父・耕助(錦戸亮)の死、あまりにマイペースな祖母・芳子(美保純)との生活など、さまざまな出来事と向き合い、必死で笑い飛ばし、時々涙しながら、七実は「作家」としてブレイク・・・する予定?
出典:家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった - NHK
レビュー
本題にはいります。
主人公の七実を演じるのはちょっと前に話題になったテレビドラマ【不適切にもほどがある】で主人公【阿部サダヲ】の娘役を演じた【河合優実】。
といっても、同ドラマをまったく見てないので、映像でまともに彼女を見るのが初めてかと思ったら・・・以前本ブログにてレビューした映画【線は、僕を描く】に出演していました。
そこそこ露出もあった役柄なんですけど印象は残っておりません(汗)
そんな私にとっては初見にも近い【河合優実】さん演じる七実の高校生時代から物語は始まります。
1話~3話にかけてドラマ内容についても書きたいことは山ほどあるのですが(3話までで山ほどあるのが凄いでしょ!)、詳細は省きます。
だって単純に見て感じてほしいから・・・
世間から見たら辛い境遇にある七実、でもそれは”世間が勝手にみてる辛い境遇”。
ドラマのなかでは辛くて演者が涙することもあるが、それを演者がパワーに変換したりして悲壮感はない。
悲壮感がないのは脚本、演出、演者の素晴らしい仕事の賜物と思っている時点で、逆説的にはリアルは本当に辛いんだろうなと”世間が勝手にみてる辛い境遇”側にいる自分がいる。
リアルは当人にしか解らないし、辛いかどうかは当人が決めることだから。
見る側(私)に悲壮感が漂わない要因を挙げます。
絶妙に緩く入ってくるコメディ要素やテレビドラマとは思えない美しいカット、お金をかけているわけではないんだけど、脚本、演出、カメラワークはテレビドラマの枠を超えていきます。
もちろん、それらと融合する演者達の演技もありきたりの言葉でしか表現できないけど素晴らしいです。
書けば書くほどネタバレしそうなので、レビュー的なものはここまでにします。
私のブログを見ている方々のなかではご存知の方もいるかとは思いますが、我が家も次男に知的障害があり、周りからは勝手に大変でしょうとか言われてきたけど、それを大変とか思ったことはないです。
次男が健常者だったらとか、本当は女の子が欲しかったので女の子だったらとか想像してみたりしたことはあるけど、次男の存在を大変だと思ったことはないです。
それが我が家の形だし・・・
考え方も家族の在り方も多種多様ですけど、私の経験値的には”家族だから愛した”違うと思います。
家族だから愛するってあるのだろうかとさえ思う。
そんな義務的なものじゃない、我が家の長男の次男への接し方を見ている限り家族だから・・・という感じはしない。
次男への接し方はについては家族全員にそれは感じるし、もちろん次男以外の家族関係でも感じることです。
妻が私をどう思っているかは微妙ですけど、とりあえずスタートは”愛したから家族になった”です(笑)
前述した通り、私の経験では”家族だから愛した”なんて義務的なものじゃないんだけど、それは我が家の在り方であって、世間の多くは義務的なものになっているのかもしれません。
そういう考え方が良いとか悪いとかではなくて”家族”の在り方を見つめたり、見つめなおしたりする機会をくれる作品だと思います。
2023年NHK-BSでの放送を見ていない方、今回の地上波放送もここまで見ていない方、地上波ではまだ3話までしか放送してません。
ぜひ第4話からでもよいので見て欲しい作品です。
パリ五輪放送も楽しんではいますが、【かぞかぞ】の放送再開も凄く楽しみ。