出典:https://www.fifa.com/fifaplus/en/tournaments/mens/worldcup/qatar2022
今回のE-1(東アジアサッカー)選手権は海外組もJリーグに所属するベテランも招集しないこともあり、日本代表3軍とか4軍とか揶揄されるわ、香港戦は快勝したものの中国戦は散々で、識者、ファンなどからも選手選考も含めて酷い言われようでしたけど、そんな声を黙らせるほどの内容で韓国に快勝して優勝しました。
韓国に快勝した要因は私なりに考えるところはありますけど、今回のテーマはそこじゃないんで省略します。
タイトル通り、選手にとってはとっても重要な大会ですし、日本代表としてもかなり重要な大会であったように思えてきました。
2022カタールワールドカップという大会を改めて整理してみましょう。
このくらいのことは周知のこととは思いますが、近年のワールドカップ本大会は6月~7月に開催されます。
2018ロシアワールドカップは6月14日~7月15日に開催されてます。
通常はヨーロッパの主要リーグ、主要大会が5月末で終了しますので、シーズン終了後にワールドカップは開催されることになります。
以下はロシアワールドカップ開幕前の例になります。
2018年イングランドプレミアリーグ2017-18は最終節は5月13日
2018年UEFAチャンピオンズリーグ2017-18決勝は5月26日
Jリーグは春秋制なのでシーズンを中断してワールドカップを迎えていました。
2022カタールワールドカップは11月21日に開幕するので、日本ではJリーグ、Jリーグカップ、天皇杯いずれもワールドカップ開幕前に終了するように前倒し日程になっています。
ではサッカーの本場秋春制のヨーロッパはどうなのかというと、ワールドカップ期間はリーグ戦等を中断することになります。
以下は主要リーグの2022年ワールドカップ直前日程になります。
スペインラ・リーガ:第14節11月9日
ドイツブンデスリーガ:第15節11月11日~13日
イタリアセリエA:第15節11月13日
フランスリーグアン:第15節11月13日
ベルギーリーグ:第17節11月11日
ポルトガルリーグ:第13節11月13日
スコットランドリーグ:第16節11月12日
オランダリーグ:第14節11月12日
ほぼほぼワールドカップ開幕の1週間前までリーグ戦日程が組まれています。
6月にはFIFAから本大会の登録メンバーが従来の23人から3人増えて26人としたニュースは多くの人が知っていると思います。
メディアもやたら26人という数値を使いますし、識者もサッカーファンも26人という数値を注目しがちですが、それと同時にFIFAは予備登録メンバー数も増員しています。
その数は大会登録メンバーを含め従来35人だったのが55人に増えています。
ロシア大会では日本代表は開幕(ほぼ)1か月半前に予備登録35人をFIFAに申請、1カ月前に本大会メンバー23人、バックアップメンバー2人(ロシアに帯同)を選んでいます。
前述したように2022カタールワールドカップは本大会開幕まで主要リーグは日程を組んでおり代表が最終調整するような時間がありません。
ロシアワールドカップで日本が本大会登録メンバーを発表したのはは1カ月半前でヨーロッパの主要リーグはほぼほぼ終了しているタイミングになってました。
では今回はどうなるのかというと、本大会登録メンバー発表をロシア大会同様にワールドカップ開幕1か月前半とすると、J1リーグ最終節は11月5日になっていますから、シーズン佳境、ヨーロッパはシーズン真っ只中というタイミングになります。
何を言いたいかというと従来は怪我をしても重症でない限り、開幕までの準備期間に怪我を完治させる時間がありましたが、今回はワールドカップ前に全治2週間ほどの怪我をした場合、グループリーグには間に合いません。
多くのメディアもファンも主力メンバーが怪我をせずにワールドカップ本大会に良いコンディションで出場することを当たり前のように考えがちですが、ヨーロッパはシーズン真っ只中ということもあり、過去の大会よりも怪我やコンディション不良などで主力選手が欠けるリスクはあがっています。
本大会登録メンバー26人を発表した後でも、過去の大会以上にメンバーの入れ替えは起こり得ると思います。
ですからE-1(東アジアサッカー)選手権は日本国内所属選手の中から予備登録選手を見極める大会でもあり、その予備登録選手はカタールワールドカップが例外的な日程であることから、本大会メンバー発表後も主力選手の離脱などによって入れ替わって選ばれる可能性は従来よりも高いと思います。
E-1選手権の個々のパフォーマンスを見てると予備登録55人をフルに登録するとは思えませんが、選手はまず予備登録されるか否かでワールドカップ本大会に出場する権利を得られるわけです。
ちょっと脱線しますが、第2戦の中国戦で広島の選手が自チームと違う4-3-3の代表チームの基本システムで機能しなかったことで選手も森保監督も非難されていますが、ワールドカップ本大会メンバー選考を前提で見れば、4-3-3というシステムの中で個としてどれだけ適応出来るかという指標になるはずです。
4-3-3しかないことも森保監督の批判の理由にされがちですが、南野の左WG適正はともかくとして海外組の適正を考えると4-3-3以外のシステムは考え難いと思えますし、あるとしたら中盤の並びを変えるくらいではないでしょうか。
ファンや識者も広島でユニット組んでいるんだから、広島のシステムを踏襲すべきなんてのがけっこうありましたけど、今回のE-1って日本国内開催だし勝つにこしたことないけど、直前に控えたワールドカップの予備登録選手選考を考えたら、広島と同じシステムで勝ったとしても、E-1で勝ったという結果が残るだけです。
じゃあ広島の選手ばっか呼ぶことはおかしいだろって人もいるかもしれませんが、システムは違えどJリーグではチームとして見応えのあるゲームをしてますし、選ばれた選手個々も賞賛されても批判されるようなプレイをしていないことは見ている人なら解るはずです。
ましてや同じチームで1年の2/3くらいの日数を過ごしてるんですから選手個々の特徴は理解しあえているはずですから急造チームなら止む無しと思います。
話を戻して、メディアやファンが気になる本大会メンバー26人は森保監督のなかではほぼほぼ決まっていると思います。
ただそれは現時点での話であって、繰り返しになりますが、26人を発表した後でもメンバーの入れ替えは起こり得るし、本来なら主力である選手が離脱することは日本代表にとって総合的には戦力ダウンになりますし、応援するものにとっても喜ばしいことではないのですが、そのような事象が起こる可能性は過去の大会よりも遥かに高くなっているので、E-1(東アジアサッカー)選手権は選手にとってはとっても重要な大会だったと感じた次第です。
E-1終了後のインタビューで9月のヨーロッパ遠征に連れて行きたい選手が何名かいることを言ってましたが、そこで選ばれなくても、E-1で爪痕を残した選手は本大会メンバーに選ばれる可能性はあると思います。
個人的には今回招集された以下の選手は予備登録確定だと思います。
水沼、西村、宮市、藤田、岩田、小池(以上横浜Fマリノス)
谷口、山根、脇坂(以上川崎フロンターレ)
町野、谷(以上湘南ベルマーレ)
佐々木、大迫(以上サンフレッチェ広島)
相馬、中谷(名古屋グランパスエイト)
※宮市の怪我の具合が心配ですけど(涙)
なお過去の例でいくと予備登録選手は公には発表されません。